2019-06-09

「日・米・仏のカリキュラム改革史における学校図書館政策」

2019年6月8日(土)に帝京大学で開催の日本図書館情報学会春季研究集会での発表原稿です。

日・米・仏のカリキュラム改革史における学校図書館政策日・米・仏のカリキュラム改革史における学校図書館政策


<抄録>
アメリカでは 1960 年代から 1970 年代にかけてスクールライブラリアン養成の制度 化が行われ、フランスでは 1980 年代末にドキュマンタリスト教員配置の法制度整備 が行われた。これは教育課程上の経験主義および知識構成主義に基づき、それが国の 教育改革と結びついて生じたものである。現在の日本の教育改革も、長期的にみれば学校図書館およびその専門職員の制度化をもたらす可能性をもつことを述べた。

2019-06-03

「今後の学校図書館を導くための学習理論の考察」

昨年の日本図書館情報学会研究大会で発表したものを公表します。


根本彰「今後の学校図書館を導くための学習理論の考察」『2018 年度日本図書館情報学会研究大会発表論文集』琉球大学, 2018 年11 月3 日, p.45-48.

 
抄録
ジョン・デューイの経験主義哲学に基づく新教育が20世紀末には、認知心理学の影響を受けて構成主義的教育学に展開したこと、それが政策的には、折からの新自由主義経済への対応としてOECD/DeSeCoのコンピテンス概念を通じて21世紀の学習理論に発展したことを跡づける。さらに、これらが西欧思想上のロゴス(言語=論理)概念をもとにしていることを述べ、それが言語資料の操作概念を通じて学校図書館の言語力と探究力の二つの学習への対応戦略を導くものになったことについて述べる。

2019-05-31

「戦後教育学の出発と学校図書館の関係」

2018年5月12日(土)に早稲田大学にて開催された日本図書館情報学会春季研究集会での発表原稿です。

根本 彰「戦後教育学の出発と学校図書館の関係」
『日本図書館情報学会春季研究集会発表論文集』早稲田大学,  2018年5月12日, p.103-106.

抄録 学校図書館の中心機能である学習を支える機能について、戦後初期の新教育の考え方 にどのように位置づけられたのかを、当時の学校図書館構想における教育学的考え方 の検討と、新しい教育学の構想のなかで学校図書館についての言及がどの程度あった のかの検討を通じて明らかにした。政策的なものが作用するうちは、学校図書館と教育学は関わり合おうとしたが、作用が弱まると疎遠になったことが分かる。


2019-05-14

『図書館の世界』(フランス語版)への寄稿(改訂)

フランスのEditions du Cercle de la Librairieから、Julien Roche編のUn monde de  bibliothèquesという本が出ました。これは世界の建物が美しい図書館を38館(ヨーロッパ22館,アメリカ8館,それ以外8館)を選んで写真と解説をつけたものです。このなかで、日本の国立国会図書館と金沢市立図書館について執筆しました。(日本語で書いたものが仏訳されています)

依頼(英語)があったときにKanazawa  Libraryと書いてあったので、金沢文庫のことかと思い問い合わせたら、金沢市図書館とのこと。どうも、海みらい図書館がフランスでも知られているらしくそれを紹介したいということのようでした。本はまだ日本ではあまり紹介されていませんが、紀伊国屋書店のサイトには掲載されていました

次は書店のページにあった本の表紙とそこにリンクされた広告コピーの日本語訳、そして目次です。コピーはGoogle Translationを使って下訳したものに手を入れました。45年前に学んだフランス語(平川祐弘に最初の文法を学び、2年目に蓮實重彦とプルーストを読んだが、すっかり錆びついていた)を思い出しながら、自由に意訳してあります。

なお、出版社のサイトには、編者 Julien ROCHEの序文と著者一覧も掲載されています。


Un monde de bibliothèques


<図書館は、ときに壮麗で感動的なイメージを喚起する場所であり、文化がハイパーコネクトされた、いわば魔術的なシンボル世界に位置づけられているために、そのことを扱った美麗本はたくさん出ています。しかし、それはこの本の意図するところではありません。この本は、断固として別のやり方をとります。過去、あるいは最近建てられた建物がもつ魅力的な力を余すことなく伝えるために、本書は、図書館が置かれた環境、その活動領域、そのコミュニティとそのネットワークとともにあることを含めて、多数の著名な図書館の全体像を提示します。それにより、図書館は単なる函であることを超えて、視覚に訴え、智に働き、影響力を行使する存在であることが理解できます。

未公表の写真を配置した40のオリジナルの解説に接することで、この本は大陸別に分けて読者を気ままな旅に誘います。大規模なものも小規模なものも、有名どころも知られていないものも、稀少なるものもまったく "普通"のものも、そして、豪華なものも質素なものも、公立、大学、国立、または専門の、およそ、世界中のすべてのカテゴリーの図書館がここに提示されています。かなり最近のものもあれば、何世紀も前のもの、あるいは何千年も前のものもあります。それらはすべておのおののユーザーに提供するサービスの質という点で典型となっているものです。そして、すべてが図書館の歴史、あるいは歴史そのものを語っているのです。>

“Sommaire

Introduction
Julien ROCHE


EUROPE
La bibliothèque de l’État de Basse-Saxe et de l’université de Göttingen (SUB), un laboratoire du savoir
Elmar MITTLER
Un joyau dans l’Université libre de Berlin, la Bibliothèque philologique
Petra HAUKE
La « Humboldt » de Berlin, de l’idéal humboldtien au Centre Jacob-et-Wilhelm-Grimm
Petra HAUKE
La bibliothèque de l’université Cottbus-Senftenberg, tiers-lieu, « non-lieu » et lieu à succès
Andreas DEGKWITZ
Le Library and Learning Centre de l’université d’économie et des affaires de Vienne, un joyau au cœur du campus
Andreas AMENDT et Marie-Pierre PAUSCH-ANTOINE
La Bibliothèque nationale du Bélarus, une histoire dans l’Histoire
Roman Stepanovič MOTUL’SKIJ
La Bibliothèque nationale et universitaire de Zagreb, marqueur de l’histoire de l’Europe centrale
Marija DALBELLO
La Bibliothèque royale du Danemark, un diamant danois
Steen BILLE LARSEN
La bibliothèque de l’université de Salamanque, une institution à travers l’Histoire
María ELVIRA Y SILLERAS
La bibliothèque de la Citadelle de l’université Pompeu Fabra de Barcelone, un joyau dans la ville
Lluís AGUSTÍ
La Bibliothèque universitaire centrale d’Helsinki, un outil remarquable au service de l’attractivité de l’université”
“Kaisa SINIKARA
Les bibliothèques de l’Université catholique du Sacré-Cœur, entre tradition et modernité
Mario GATTI et Ellis SADA
La nouvelle Bibliothèque nationale de Lettonie, montagne de verre et château de lumière
Andris VILKS
La bibliothèque de Vennesla, une architecture inspirée pour un projet ancré dans son territoire
Anne Kjersti BENTSEN
La bibliothèque publique d’Amsterdam, de l’inclusion et du vivre ensemble au service de la diversité
Zsófia BENE, Olindo CASO et Marian KOREN
La bibliothèque publique de Spijkenisse, une bibliothèque durable et ouverte sur la Cité
Zsófia BENE, Olindo CASO et Marian KOREN
La bibliothèque municipale d’Heerhugowaard, un poumon de vie culturelle, sociale et communautaire tourné vers la jeunesse
Zsófia BENE, Olindo CASO et Marian KOREN
Le centre culturel Rozet aux Pays-Bas, un exemple réussi de bibliothèque intégrée
Zsófia BENE, Olindo CASO et Marian KOREN
Le Saltire Centre de l’université calédonienne de Glasgow, un bâtiment et un concept pionniers
Les WATSON
La nouvelle Nouvelle Bibliothèque Bodleian, un lieu refondé au service de la recherche
Wolfram HORSTMANN
La British Library, une bibliothèque à vocation universelle
John TUCK
La Bibliothèque nationale de Russie, une institution culturelle clé de la Fédération
Andrei ANTONENKO
La bibliothèque abbatiale de Saint-Gall, une institution[...]”“ un patrimoine pour l’humanité
Ambrogio M. PIAZZONI
 

AMÉRIQUES
La bibliothèque George-Peabody, la vision d’un philanthrope moderne
Yvon-André LACROIX
La bibliothèque James B. Hunt Jr. de l’université d’État de Caroline du Nord, un équipement exceptionnel
Carolyn ARGENTATI et Chris TONELLI
La New York Public Library, une bibliothèque ouverte sur le monde
Marija DALBELLO
La Thomas Fisher Rare Book Library de l’université de Toronto, une collection exceptionnelle de livres rares et d’archives
Marcel LAJEUNESSE
La Grande Bibliothèque du Québec, une très belle réussite
Yvon-André LACROIX
La Taylor Family Digital Library de l’université de Calgary, un centre culturel et intellectuel
Guylaine BEAUDRY
La bibliothèque Palafoxiana, porte ouverte sur la culture de la Nouvelle-Espagne
Fabiola Patricia MONROY VALVERDE
La Vasconcelos, une bibliothèque vivante
Daniel GOLDIN
 

AFRIQUE, ASIE, OCÉANIE
La bibliothèque de l’université de technologie du Queensland, expérience étudiante, services aux chercheurs et innovation
Judy STOKKER et Sue HUTLEY
La Bibliothèque nationale de Chine, un outil emblématique du rayonnement chinois
Tommy YEUNG
La Bibliotheca Alexandrina, renaissance de la bibliothèque d’Alexandrie
Gérald GRUNBERG
La Bibliothèque nationale de la Diète, un rayonnement

Akira NEMOTO
Les bibliothèques municipales de Kanazawa, un réseau remarquable
Akira NEMOTO
La Bibliothèque nationale du Royaume du Maroc, un rayonnement international
Driss KHROUZ

La bibliothèque de l’université Saint-Thomas de Manille, mémoire de l’histoire des Philippines
Anabel de la PAZ
Une nouvelle Bibliothèque nationale pour le Qatar
Claudia LUX”

2019-05-13

『教育改革のための学校図書館』(東大出版会)の刊行予告

6月25日に、表記の本を刊行予定です。

この本は、私が携わってきた領域のなかで、学校図書館にかかわるものを集大成したものです。 とくに今の教育改革と戦後の学校図書館の制度と位置づけがねじれた関係にあったことを整理し、このねじれを解くため提言をしています。

たとえば、1953年の学校図書館法ができるときに、実は文部省でも当時の経験主義教育を支援するために学校図書館制度をつくる動きがあり、専任司書教諭の配置までを視野に入れていました。東京学芸大学の附属学校ではそのために「図書館教育」のモデルカリキュラムの実験をしていました。これがなぜ「教諭をもって充てる」かたちのでの司書教諭が制度化されてしまったのか。当時の教育学者はこの動きに対してどのような反応を示していたのか。第Ⅰ部ではこの問題を取り上げます。このなかでは第3章は書き下ろしです。学校教育学のなかでもとくに教育課程論や教育方法学と学校図書館の関係がねじれたままになったのがなぜだったのかについて、考察しています。

第II部はその後の教育改革のなかで学校図書館問題がどのように位置づけられたのかについて、さまざまな角度から論じています。第6章では、ここ20年ほどで行った実証的な調査についてのまとめを掲載しました。

第III部では、外国の事例について述べました。アメリカについては書かれたものがけっこうありますが、ここではとくにフランスを取り挙げます。実はアメリカもフランスも20世紀の百年をかけて教育改革をつづけていますが、そのなかでアメリカでは20世紀なかばに、フランスでは20世紀末に、学校図書館の制度化と専門的な図書館員の配置の制度化を進めました。私は教育改革は100年単位で考えるべき問題と思いますから、この二つの国が若干の時差をもちながらその選択をした理由がなんなのか、日本ではその条件が整っているのかという問題意識から取り組みました。

第IV部は、まとめですが、第9章ではLIPER(図書館情報学専門職養成のリニューアル)学校図書館班で取り組んだ政策的課題をまとめています。そして最終章もまた書き下ろしでここまでの議論を整理し、若干の政策提言も含めて論じました。

全体でA5判で340ページにもなりました。それだけ複雑で困難な問題が横たわっていたからです。ここで述べた図書館と教育の関係の議論は、『情報リテラシーのための図書館』(みすず書房, 2017)に続くものです。価格もずいぶん高くなりましたがm(_ _)m、この領域では今までになかった総合的な考察をした書物であると自負しています。

<目次>
第I部 戦後の出発点の確認
 第1章 戦後学校図書館制度成立期研究の現状
 第2章 占領期における教育改革と学校図書館職員問題
 第3章 戦後教育学の出発と学校図書館の関係
第II部 教育改革と学校図書館
 第4章 学校図書館における「人」の問題
 第5章 教育改革と学校図書館の関係を考える
 第6章 教育改革と学校図書館制度確立のための調査報告
第III部 外国の学校図書館と専門職員制度
 第7章 フランス教育における学校図書館CDI
 第8章 米国ハワイ州の図書館サービスと専門職養成システム
第IV部 日本の政策的課題
 第9章 学校内情報メディア専門職の可能性
 第10章 日本の教育改革の課題と学校図書館の可能性
あとがき

なお、今後、3回にわたって日本図書館情報学会で発表した学校図書館と教育改革の課題についての論文をブログにアップする予定です。

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7月9日追記
・7月1日に販売が始まりました。
・本書の序、1章1節、10章4節を読めるように公開しました。
https://oda-senin.blogspot.com/2019/07/blog-post.html

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7月27日追記
 公開シンポジウム「教育改革のための学校図書館」の開催予告を行いました。
https://oda-senin.blogspot.com/2019/07/blog-post_27.html

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2020年12月24日追記
 この本をもとにした研究業績により2020年2月に慶應義塾大学より博士(図書館・情報学)が授与されました。その経緯や論文要旨、要約、審査要旨および審査に対する応答をブログにアップしました。

2019-04-20

つくば市旧小田小学校(一部教室)の地域活用を考える会

3月30日と4月19日に開催された標記の会に参加した。これは「小田市街地まちづくり勉強会」の一環として、つくば市都市計画課周辺市街地振興室の呼びかけで開催されたものである。

つくば市南部が東京への電車でのアクセスがいいので人口がどんどん増えているのに比べて、北部は少子高齢化が進む典型的な過疎地域である。そうしたところに住むことを決めたのには理由があるが、その一つには、マージナルなところは層化された歴史の断面が見えやすいという直感による。昨年6月に、北部の公立小中11校が廃校になって統合され、その廃校跡地をどのように使うのかについての説明会があったことはブログに書いた。最近になって新しい動きがあったのでここで報告しておく。

それは都市計画課が後押しして、小田小学校の2教室と運動場を地域の人たちが活用するための団体と事業計画をつくるための準備ということである。すでに、国と市からそのための修繕費が支出されることが決定していて、また、これを進めるための専門のコンサルタント会社を公募することもまもなく始まるということである。これだけのことをして、これを進めようというのは小田地区がいくつかの要素でこういう事業をモデル的に進めるのによい条件が揃っているという判断があったようである。それはたぶん、他の地区(周辺市街活性化の対象地区は全部で市内に8地区ある)に比べて、中世以来の歴史文化があり地理的にまとまっていて独立性が高いこと、小田城趾公園や宝篋山登山などで外部からの訪問客を受け入れている現状があることなどによるものと思われる。

2回の会では職員によるこの事業の趣旨説明があった。要するに、これは最初の1年間は市が面倒をみて小学校の一部を利用した地域再開発の手伝いをするが、あとは地域住民で自由に展開してほしいという仕掛けであることが理解できた。つまり、他の地区にさきがけて廃校利用のモデルケースとなることを期待しているということだ。

提案されている学校施設の利用用途について大まかには二つあり、一つは地域住民のコミュニティ活動の拠点にすることとであり、二つ目には宝篋山の登山客やサイクリングロードを走るサイクリストを引きつける施設として利用することである。話し合いでは、これらの提案にとくに異存はなかったし、それを引き受ける住民協議会に参加したいという人もけっこういた。ただし具体的に何をするのかということになると、いろんな意見があり、その受け皿として汎用的なものをどのようにつくっていくかが議論の中心だった。

たとえば、修繕の一環で簡易シャワーが使える設備をつくるかどうかは、目的にかかわる。そもそも今のところサイクリストはそんなに多くないし、ロードの途中でシャワーを浴びる人はいないだろう。登山道の拠点である駐車場から小学校まではちょっと距離があってわかりにくく、シャワーを使う人がどれだけあるか不明である。車で10分でウェルネスパークという温水施設があるからそこにいけばよい。というように、需要が不明なのに費用がかかり維持するのもたいへんそうな設備をつくるのがいいのかどうか。といった具合である。だからおおざっぱな方針をつくって、あとは地域の意見を集約できる準備会をつくり、さらには運営協議会を発足させるという方針でまとまった。

前にも書いたように、ここには地元のことについては熱く語る人たちがいる。また若い人や女性の参加者もけっこういていろんな意見を出していた。小田の街はふだんはあまり人通りもないが、祭りやイベントのときは盛り上がることを経験してきた。今は小田城跡公園が集まる場所になっている。小学校は地域の拠点の一つであるから、これがなくなったことで、再開発をきっかけとして小学校と小田城趾をうまくつなげるといいと思う。今はあいだに保育所と児童館が入っているが、かなり老朽化しているということなので、いずれは小学校の方に移転することを考えるべきだろう。歴史的保存地区に指定されているので新しい建物は建てられないから、そうなるとすっきりと両方がつながることになる。

そうなると、このブログを開設した2年前に書いた「緑と城の小田郷学」プロジェクト案の一部は実現することになるだろう。 念のためにここに再度書き出しておく。

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2017423
の小田郷学」プロジェクト案
 
以下は、小田に住み始めて数年、小田に定着し、何か貢献できないかと思ったときにやるべきことについて個人的にまとめたものです。

 ・ 長島尉信(江戸末期の小田在住の農政学者)に/を学ぶ
 この人が小田で何をしていたのか
 とりあえず、小田城趾公園案内所を借りての勉強会

・ 小田小学校廃校対策
 小田小校舎と保育所・児童館を統合する。
  城跡の公園とを結ぶ子どもから大人の学びの場をつくる
   (体育館の利用・小ホールをつくる。ライブラリーによる広場機能)
 紫峰学園筑波義務教育学校にとっての地域学習の拠点の一つとする

・ 小田城公園との連動
  小田保育所=小田小学校跡地との一体的開発
  公園案内所のミュージアム化(小田城の歴史と小田地区の歴史(長島家文書))
  農と食との連動(筑波農場、武平ファームとの協働)による休憩施設
  りんりんロードの拠点休憩所づくり(土浦、霞ヶ浦、北条、筑波山麓との連携)
  つくバス小田シャトルの連絡の向上
  (つくば駅からりんりんロードにつながる自転車道の整備)

・ 小田地区との連関
  宝篋山への登山道入り口 (小田休憩所との連携)
  小田祭り・どんど焼き等の祭り
  文化財(小田不動磨崖仏、小田前山、極楽寺跡と忍性)
  古民家華の幹、カフェ梟と駐車場との協働
  (前山下の採掘跡地の再利用によるコンサートスペース)

*小学校と保育所との統合、自転車道整備、コンサートスペースはやや夢物語に近いか
テーマ:自然と農、伝統と文化

 「小田」を素材にした人々の交流の場・学びの場・遊びの場にする

 郷学の復活(江戸時代の庶民の私塾、小田小学校の前身は郷学だったのでは?)

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なお、この案をある人に見てもらったときに、小田小学校は車でのアクセスに非常に制限があって問題だという話しをされた。今回の話し合いでも、車道の拡張についてまっさきに市が取り組むべきではないかという意見があった。それに対して、市の担当者は今回の趣旨は市役所が後押しして、地域活性化を住民自らが取り組むための手伝いをすることであり、それがうまくいって実績が上がったら自ずとそうした環境整備のようなものに市が取り組むことがあるだろうということだった。確かに、小田小学校が明治の初期にできてから140年目にして廃校になり、新しい状況が生まれたわけだから、あまり焦らずにじっくりと地域づくりに取り組めばよいと考える。

ポメラDM200を再度利用してみて

2017年6月23日付けのブログに書いたものの続きである。

通勤時に使える軽くて機動性のよい入力機器がないか、というのが2年前のテーマだった。かつて使っていたVAIO Xという軽量薄型のパソコンを引っ張り出したが、やはり非力で使えない。そこで、キングジムのポメラDM200というキーボード付きでテキスト打ちだけができる機器を使ってみると書いていた。しかしながら、これを使ったのは、せいぜい1ヶ月くらいだったと思う。この機器の特徴はテキスト入力オンリーというところにあり、とくに開くとすぐ使えてかつ、ネットにつなげないことがメリットということが広く知られている。だから、文字生産ないし文字入力の専業者であるならこれの使い勝手がよいと感じ、実際にそういう熱心な支持者がいるらしい。

残念ながら私はそうではなかった。確かにテキストだけを入力することも多いのだが、どうしても書くのは論文や著書の一部分なので、図表と組み合わせることが少なくない。ネットにつないで調べたり確認したりすることもしばしばある。最終的にテキストはPCのワープロソフトで編集することになるので、PCとの連携がきわめて重要なのだが、接続がよくないのが最大の問題だった。前のブログで触れたように、無線LANやSDカード、そしてUSBケーブルも使えるのだがどれも今ひとつだ。このなかではUSBケーブルがあればすぐにつなげるので一番使い勝手がよいのだが、それでもケーブルを用意していちいち二つの機器をつなげなければならない。通勤とか外に出ているときに使うものなので、帰ってからいちいちつないでファイルにコピーアンドペーストするのはけっこう面倒になる。PCで一番使い勝手がよいUSBメモリを差して使うやりかたができないのが困る。この頃は、ネット上のドライブを使うことはまだ一般的ではなかったので使っていなかったが、DM200はそれには対応していない。

前のブログで、DM200のサイズでWordファイルを扱えるPCがあればいいのだがと書いた。以前に使っていたVAIO Xはそういうものだったし、同じ頃にソニーはVAIO Pというモデルも出していた。DM200はVAIO Pの横長のデザインを真似ているように見える。だが、しばらくそういう、携帯に便利で軽いPCをみなかったところ、ここ数年でそのたぐいのものが普及している。一つはタブレットの性能があがり、PC並の処理能力をもつようになっている。それでも画面上のヴァーチャルなキーボードは使う気になれない。(若い人はスマートフォンでけっこう長いものも書くというからこのあたりは慣れの問題なのかもしれない。)ところが、タブレットにキーボードを組み合わせたものが出始めていてけっこう使っている人を見かける。重量と起動性という意味ではこれはいいのかもしれないが、PCに置き換わるものにはならないだろう。別のものの組み合わせだから不安定であり、これを膝の上に乗せて使っているのは見たことがない。

最近のPCの薄型化・軽量化の動向も見過ごせない。DM200の重さは600グラムくらいで、それに近いPCが現れている。富士通やNECからは12〜13インチPCで700グラムから800グラムくらいのものが出ていて、これなら持ち運べるかもしれない。画面が大きくてよいが、値段はけっこう高いし車内で使うには大きすぎる。高くていいなら、AppleのMacbookの最近出たものも候補になるかもしれない。それと、輸入物だが超小型PCというのも出ている。GPDとかOne-Netbookと呼ばれるブランドだ。これらは7インチくらいの画面で本当に小さいが、重さは1キログラムを超えるようで意外に重い。なによりもキーボードサイズが小さいので打ちにくいことは否めないだろう。

実は、この数ヶ月、再度、DM200を取り出して使っている。というのは日記を書くのにいいからだ。つまりこの機械を日記やメモ入力の専用機として使い、PCとの接続はたまにしかしないとすれば、これはこれでけっこう使えるのかもしれないと考えたからだ。バスや電車に乗ってすぐにとりだし、テキスト打ちだけをやるのには適していて、今でも使っている。前にも書いたように、本当はこのブログの入力ができればいいのだが、直接はできない。テキストで書いてPCに移してアップすることになる。また、たとえば超小型PCというのがあったはずだがそれはどういうブランドだったっけなどと調べようとしても、PCならすぐできるが、DM200ではできない。ネットに接続しない専用機のメリットを生かせることはそんなにはない。

ということで、これを使うのがどのくらい続くのかはわからない。大きすぎても小さすぎてもだめで、持ち運びやすく作業がしやすいものというのはなかなかない。また、ネットにつなげない方がいい場合と、つなげた方がいい場合があり、その使い分けも難しい。何ともわがままなものだと我ながらあきれてしまう。

この記事の続きは2020年2月11日のブログ

探究を世界知につなげる:教育学と図書館情報学のあいだ

表題の論文が5月中旬に出版されることになっている。それに参加した感想をここに残しておこう。それは今までにない学術コミュニケーションの経験であったからである。 大学を退職したあとのここ数年間で,かつてならできないような発想で新しいものをやってみようと思った。といってもまったく新しい...