2019-04-20

ポメラDM200を再度利用してみて

2017年6月23日付けのブログに書いたものの続きである。

通勤時に使える軽くて機動性のよい入力機器がないか、というのが2年前のテーマだった。かつて使っていたVAIO Xという軽量薄型のパソコンを引っ張り出したが、やはり非力で使えない。そこで、キングジムのポメラDM200というキーボード付きでテキスト打ちだけができる機器を使ってみると書いていた。しかしながら、これを使ったのは、せいぜい1ヶ月くらいだったと思う。この機器の特徴はテキスト入力オンリーというところにあり、とくに開くとすぐ使えてかつ、ネットにつなげないことがメリットということが広く知られている。だから、文字生産ないし文字入力の専業者であるならこれの使い勝手がよいと感じ、実際にそういう熱心な支持者がいるらしい。

残念ながら私はそうではなかった。確かにテキストだけを入力することも多いのだが、どうしても書くのは論文や著書の一部分なので、図表と組み合わせることが少なくない。ネットにつないで調べたり確認したりすることもしばしばある。最終的にテキストはPCのワープロソフトで編集することになるので、PCとの連携がきわめて重要なのだが、接続がよくないのが最大の問題だった。前のブログで触れたように、無線LANやSDカード、そしてUSBケーブルも使えるのだがどれも今ひとつだ。このなかではUSBケーブルがあればすぐにつなげるので一番使い勝手がよいのだが、それでもケーブルを用意していちいち二つの機器をつなげなければならない。通勤とか外に出ているときに使うものなので、帰ってからいちいちつないでファイルにコピーアンドペーストするのはけっこう面倒になる。PCで一番使い勝手がよいUSBメモリを差して使うやりかたができないのが困る。この頃は、ネット上のドライブを使うことはまだ一般的ではなかったので使っていなかったが、DM200はそれには対応していない。

前のブログで、DM200のサイズでWordファイルを扱えるPCがあればいいのだがと書いた。以前に使っていたVAIO Xはそういうものだったし、同じ頃にソニーはVAIO Pというモデルも出していた。DM200はVAIO Pの横長のデザインを真似ているように見える。だが、しばらくそういう、携帯に便利で軽いPCをみなかったところ、ここ数年でそのたぐいのものが普及している。一つはタブレットの性能があがり、PC並の処理能力をもつようになっている。それでも画面上のヴァーチャルなキーボードは使う気になれない。(若い人はスマートフォンでけっこう長いものも書くというからこのあたりは慣れの問題なのかもしれない。)ところが、タブレットにキーボードを組み合わせたものが出始めていてけっこう使っている人を見かける。重量と起動性という意味ではこれはいいのかもしれないが、PCに置き換わるものにはならないだろう。別のものの組み合わせだから不安定であり、これを膝の上に乗せて使っているのは見たことがない。

最近のPCの薄型化・軽量化の動向も見過ごせない。DM200の重さは600グラムくらいで、それに近いPCが現れている。富士通やNECからは12〜13インチPCで700グラムから800グラムくらいのものが出ていて、これなら持ち運べるかもしれない。画面が大きくてよいが、値段はけっこう高いし車内で使うには大きすぎる。高くていいなら、AppleのMacbookの最近出たものも候補になるかもしれない。それと、輸入物だが超小型PCというのも出ている。GPDとかOne-Netbookと呼ばれるブランドだ。これらは7インチくらいの画面で本当に小さいが、重さは1キログラムを超えるようで意外に重い。なによりもキーボードサイズが小さいので打ちにくいことは否めないだろう。

実は、この数ヶ月、再度、DM200を取り出して使っている。というのは日記を書くのにいいからだ。つまりこの機械を日記やメモ入力の専用機として使い、PCとの接続はたまにしかしないとすれば、これはこれでけっこう使えるのかもしれないと考えたからだ。バスや電車に乗ってすぐにとりだし、テキスト打ちだけをやるのには適していて、今でも使っている。前にも書いたように、本当はこのブログの入力ができればいいのだが、直接はできない。テキストで書いてPCに移してアップすることになる。また、たとえば超小型PCというのがあったはずだがそれはどういうブランドだったっけなどと調べようとしても、PCならすぐできるが、DM200ではできない。ネットに接続しない専用機のメリットを生かせることはそんなにはない。

ということで、これを使うのがどのくらい続くのかはわからない。大きすぎても小さすぎてもだめで、持ち運びやすく作業がしやすいものというのはなかなかない。また、ネットにつなげない方がいい場合と、つなげた方がいい場合があり、その使い分けも難しい。何ともわがままなものだと我ながらあきれてしまう。

この記事の続きは2020年2月11日のブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿

知のオープン化と NDLの役割(2)ーナショナルライブラリーの今後

現行の国立国会図書館法(NDL法)の納本制度に関わる条項は次のスライドのとおりである。まず,古くからある納本制度は,同法の24条(国の機関),24条の2(地方公共団体の機関),25条(それ以外の者)によって当該の機関や者は,24条1項に列挙されている「出版物」を発行したら納入する...