教育改革のための学校図書館 新刊
根本 彰 著
東京大学出版会
ISBN978-4-13-001008-5発売日:2019年06月27日
判型:A5
ページ数:344頁
内容紹介
中途半端な制度化に終わった戦後日本の学校図書館の苦闘と挫折の歴史をたどり直し,すぐそこに来つつある「主体的・対話的で深い学び」が求められる知識社会に対応するために,学習情報センターとしての学校図書館と司書のヴィジョンを浮かび上がらせる.
著者による自著紹介記事(2019年11月21日追加)
https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/E_00187.html
目次
(序、1章1節、10章4節は読むことが可能です)
序
第I部 戦後の出発点の確認
第1章 戦後学校図書館制度成立期研究の現状
1 戦後初期教育改革と学校図書館の関係
2 戦後初期教育改革の全体像
3 占領期の学校図書館改革
4 学校図書館制度へのアメリカの影響
5 戦後初期教育改革期の学校図書館史
第2章 占領期における教育改革と学校図書館職員問題
1 学校図書館の法制度
2 占領初期の教育改革と図書館
3 学校図書館基準における「人」の問題
4 teacher librarian と司書教諭,学校司書
5 学校図書館法立法時における司書教諭像
6 学校図書館問題の困難さの淵源
第3章 戦後教育学の出発と学校図書館の関係
1 教育学と学校図書館を結びつけて考える意義
2 戦後教育初期改革と学校図書館
3 戦後初期の学校図書館構想
4 戦後教育学と学校図書館
5 IFEL図書館
6 まとめと課題
第II部 教育改革と学校図書館
第4章 学校図書館における「人」の問題
1 議論の設定と背景
2 戦後初期教育改革と図書館職員の問題
3 学校教育興隆期の学校図書館
4 教育改革と学校図書館法改正
5 ニ職種配置状況の完成
第5章 教育改革と学校図書館の関係を考える
1 学校図書館と図書館の関係に寄せて――物語と情報リテラシー
2 2008年版学習指導要領を読む
3 学校図書館問題への一つの視点
4 21世紀の学校図書館理論は可能か
第6章 教育改革と学校図書館制度確立のための調査報告
1 総合学習・探究型学習と学校図書館
2 探究型学習と学校図書館の関係の実際
3 「調べる学習コンクール」の効果
第III部 外国の学校図書館と専門職員制度
第7章 フランス教育における学校図書館CDI
1 フランス教育の概要
2 フランスの教育改革と学校図書館の沿革
3 学校図書館の実地調査に入って
4 おわりに
第8章 米国ハワイ州の図書館サービスと専門職養成システム
1 図書館員数の概略
2 ハワイ州の図書館と図書館員
3 図書館員制度と養成
4 書物文化の公的装置としての図書館
第IV部 日本の政策的課題
第9章 学校内情報メディア専門職の可能性
1 日本の図書館員養成課程
2 LIPER図書館情報学カリキュラム
3 LIPER学校図書館班中間報告
4 学校内情報メディア専門職の養成案について
5 その後の学校内情報メディア専門職論
第10章 日本の教育改革の課題と学校図書館の可能性
1 歴史的展開のまとめ
2 構成主義学習論と学校図書館
3 教育政策との整合性
4 来るべき学校図書館職員論のためのメモ
あとがき
索引
御著書の出版おめでとうございます。「来るべき学校図書館職員論のためのメモ」を拝読させていただきました。先の「情報リテラシーのための図書館」が、今回の御著書により生きると感じます。以前に北海道の公共図書館にて、学校図書館事業に取り組む際に、運よく教員免許のある図書館員がおり、司書と司書教諭を資格をとっていただき、事業が大きく進展したと感じます。偶然にも根本様が「メモ」の中で触れられていることとつながります。(2017年4月号、「学校図書館」にて事例発表)なお、この職員は、嘱託職員でした。やがては、処遇や人事制度の改善が求められます。2000万円必要との年金問題が焦点になっていますが、教育改革に関わる図書館は、人材、担い手、年金資産、年金基金を支える社会的基盤として考えるべきと、最近、強く感じます。早速、書店へ注文いたしました。
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